「 旧きを生かして、今を暮らす。 」
そのスタイルを実際に観に行こうという
ハーツデザインスタッフ恒例のリノベーショントラベル。
今年は、「 150年前と同じ街並み 」であり続けるという
イギリス・ロンドンへ行って来ました。
12時間 空を飛び、到着した街・ロンドン。
しばし・・・・・ア然としてしまいました。
旧き良き時代でSTOPしたままの姿がそこに在り、
その時代を映す「 建物 」がどこまでも立ち並んでいるのです。
レンガ、 石、 窓、 扉、 木々、 彫刻、
鉄柵、石畳、 ステンドグラス、花、 直線、 R・・・。
現代の日本の建物がいかに「平面的」なものだったのかを知らされます。
建造物の全てのパーツに「立体」を感じ、
陰影と色彩がその造形を引き立てています。
傷んだ玄関のドアを真鍮のボードで補修し、それを新たなデザインに加えています。
「 こういうことなんだよな 」と実感できます。
色調も新鮮です。 自然の色味を品良く取り合わせ、
ポイントに赤や緑を効かせることでアートな演出をしています。
中でもロンドンの街をグッとモダンに魅せていたのは「 BLACK 」黒。
ロンドンの街全体をふちどり、大人な世界観を創り上げているようでした。
いつの時代かにたどり着き、自分達は自分達のスタイルを受け継いで来たんだ
という態度が、き然として感じられます。
何もかもが良かったわけではありませんが、
( 街のいたるところにゴミが多かったり、店員の態度はおもてなしにほど遠く、
食事は、とにかく「、、、粗い」です。)
「 暮らし方 」にルールを持った国があるのだということに
感心をさせられました。
今の日本とのギャップを感じたのかもしれません。
趣味・嗜好の違う1人1人が自由に生きている現代でありながら、
集団として「 街 」を創る時には、
「 美しくあろうとする 」意識が通じ合っているように思います。
「 美観 」「 美意識 」を、上に上に保とうとする 歴史的な「 暮らし方 」。
おそらくそれは、日本にもあったものだろうと思われます。
江戸の街はどうだったのかと。
歴史がめぐり、まさに西洋・英国に憧れ、今までのあらゆるスタイルを変え、
背広を着て、新しい家を建て、高度な成長を遂げた今 。 ・・・・。
ロンドンの小さな路地まで歩き回り、
誇らしげな英国のRENOVATION STYLEを感じた旅。
羽田からの帰り道、愛すべき日本の街並み。
建てては壊し、壊しては建てて来た富国のサイクルに
どこか「 とりとめの無さ 」を感じるのはなぜでしょう?
久々の蕎麦の出汁が胃にしみます。
古いものがすべて素晴らしいわけではなく、
新しいものがすべて正しいわけではありません。
国を問わず、時代に捉われず、
「 良いもの 」・「 良いこと 」を見極める眼をもって 新しい暮らしをデザインしていく。
それがハーツの目指す 本物志向のリノベーションだと、
確信できる旅となりました。